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ご機嫌取り

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バイクのエンジンが掛からない。セルボタンを押しても老婆の喘息のような音を出すだけで点火しない。以前にも同じような症状はあったが、今回は時間を置いてもボタンを長く押し続けてもセルモーターは空回りするだけだった。そんな時はキックスターターを何度か蹴とばせば…キックスターターは固着していて使い物にならなかった。

数日前にエンジンオイルを変え、当日の朝に切れていたテールランプを取り換えた。そういうメンテナンスがきっかけで他の場所に不具合が起きることはある。でもエンジンが掛からないのは結構重症だよなと、重い気持ちでバイクは諦め鬱々としながら自転車で自宅へ帰る。

翌日出勤し、バッテリーを充電してから再トライ。やはりダメ

原因に近い場所をいじるには技術が足りないので、まずはキックスターターを動くようにする。ギシギシと擦れる音がするのでグリスが取れてしまったのだろう。工具で問題個所をばらす。

安い原付は気軽に分解できるので楽しい。最近の車は電子部品の塊になって機械というより家電に近くなってしまったが、僕の乗っている原付は説明書も見ずにバラバラにしても元通りに組み上げる事さえ出来れば、きちんと動く。大人のおもちゃとして優秀だ。タイヤ交換もエンジンオイル交換もドライブレコーダー取り付けも調べれば動画で学ぶことが出来る。メンテナンスというより実用的なプラモデルで遊んでいる感覚に近い

エンジンと関係なくても、取り合えずギシギシしている部品をグリスまみれにして元に戻す。キックスターターを踏みつけると気持ちよく回転し、くるりと元の位置に戻る。とても気持ちが良い。

出来ることも無くなって、駄目だとわかっているがセルボタンを押す。キュルキュルという音に交じって点火しそうな音がする。10秒程セルモーターを回し続けたらエンジンが掛かった。エンストしないように急いで空ぶかしをする。火起こしした直後の緊張感を感じながらエンストしないか5分確認し、エンジンを切る。今度は直ぐにエンジンが掛かる。キックスターターも試したがこちらも問題なく始動する。訳わかんねぇなと思いつつ、バイクの機嫌が直ったのだろうと納得する

機械や電化製品は時々、不機嫌になる。明確な故障とは別に怪しい挙動をする。人間側も何となく故障じゃなくて機嫌が悪いのだろうと察しが付くことがある。不思議なものだ

原付には後半年ほど頑張ってくれたら廃車でも良いかなと最近考えていた。職場からすぐそばに自宅が建てば通勤用バイクは不要になる。バイクは便利だが、車より死が近い移動手段だ。だから何かのきっかけにバイクを捨てるのは必然なのだ。大きな修理代が掛からず機嫌を直してくれたバイクは後半年くらいなら頑張ってくれそうな気がする。そんなバイクが可愛くて、変えずにいた部品とそれを変える工具を買ったら2万円だった。その部品を変えたらまた機嫌が悪くなりそうだし、お別れは近いのだけど1週間後に部品が揃ってバイクをいじる自分を想像しながらワクワクが止まらないのだ
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