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台風19号

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超大型台風、十分警戒するよう数日前から報道されていた。一ヶ月前に千葉に被害をもたらした台風15号を見ているのでそこはかとなく不気味さというか不安というか今回は自分たちかもしれないという緊張した感があった

台風が来る前の数日間は特に警戒感なく過ごした

 9日(水)クラムボンのライブ
10日(木)薬局を冷やかす(養生テープ売り切れてるんだ。みんな飲み物をケースで買ってる)
11日(金)スーパーを冷やかす。自宅に帰ってから浴槽に水を満タンにする
12日(土)出勤前に水のうを作り、トイレにはめる

食料の備蓄は今回の台風用に買わなくても十分ある。自慢ではないが1ヶ月籠城できる用意がある。インフルエンザや地震の時に昔からストック・更新している。


12日はいろんなお店が臨時休業を告知し僕の店も休みにしても良かったのだが、不測の事態に備えて店内で待機することに決めていた。店も老朽化が進んでいて、雨漏りなんかがあったら早く対応しないといけない。お客が来なくても裏方の事務仕事はある。こういう日は雑務をするのに悪くない。

当日は朝から雨が強くなるということなので、6時に職場に向かう。雨が強くても風が強くなければ原付でも不便はないので原付で移動。雨風はやや強いかな程度でまだ余裕があった。

9時にお店を開け、台風前の来客をいくつか捌く。「お気をつけて」なんて世間話をする。既に土砂降りになり始めている。雨脚の速さが気にかかる。本来、台風というのは「ボレロ」のように徐々に存在感を増すはずなのに、あっという間に洗車機の中にいるような状況になってしまった。普通じゃない。台風が通過するまでこの勢力を維持されたら河川の氾濫が起きるのではないかと心配になる。店の近くの河川が氾濫したら天井まで水没する


荒川の熊谷の水位を注視する。荒川大橋の水位基準は以下のようになっている

水防団待機 ~3m
氾濫注意  ~3.5m
避難判断  ~5m
氾濫危険  ~5.5m

河川水位情報を確認すると案の定10分ごとに水位がみるみる上昇していく

10時に水防団待機から氾濫注意へ
11時に氾濫注意から避難判断へ
14時に避難判断から氾濫危険へ
変わった

まだ台風最接近まで7時間ある。楽観的な判断は捨てたほうが良いと決断し避難準備を本格化させる。避難場所は自宅マンションで良いだろう。貴重品、仕事道具は車に乗せて立体駐車の駐車場へ移動。

店の商売道具で車に積める高価なものを順次トランクに詰める。1時間でこの作業は終了した。証書・免許・写真・通帳も忘れないようにバックパックに詰めて避難時に忘れないように身近に置く。時間は15時

ここまで着々と準備を進めたのに、まだ少しだけ正常性バイアスが避難を躊躇させる。

自分のしていることが、ただの無駄騒ぎで馬鹿げた行動をしているような気がする。このままじっとして店に留まっていれば台風は過ぎ去り明日には何事もなく日常を再開できるかもしれない。そういう甘い考えが浮かんでくるとリアルタイムで水位が上昇している数値も説得力が弱まってくる。

正常性バイアスに加え、もう一つ避難したくない理由があった。店で飼っている猫3匹の避難も行わなければならない。(猫を飼っていなければ、お昼までにとっとと避難して自宅で酒盛りをしていたと思う)

彼らは完全な箱入りで一度も外に連れ出したことがない。彼らをキャリアに入れて無事に移動することができるのか考えるとすごいプレッシャーがかかる。パニックにならないかどうか、不測の事態が起きて逃げ出さないか、避難先(賃貸マンション・動物飼育禁止)でトラブルが起きないか?この3つの問題を考えていると「もしかしたら避難しなくても何もなく終わってくれることに賭けようか?」という気持ちが湧いてくる。その考えはとても甘美で冷静さを失わせ根拠もなく安全を信じたくなってくる。


こうしてダラダラ考えていると16時に氾濫危険水位の上限「5.5m」を超えた。それはもう駄目だってことだ。やっと、本当に避難を決意する


猫3匹を大きいキャリア一つに纏めて入れて避難しようとしたが、その慣れない状況に既にパニックになりキャリア内で喧嘩が始まる。一度開放してキャリア1つづつ入れようとするが逃げて捕まらない。実家で待機しているとmこに連絡する。実家まで行きとmこをピックアップし二人で猫を避難させることにした。

16時を過ぎると風もかなり強くなっていた。車の移動もかなり慎重にゆっくりと進む

車の中で猫は泣き叫ぶ。叫ぶ猫と叫ばない猫がいたが、こういう時は叫んでくれる方がこちらとしては少し安心できた。何も言わないまま失神されていても困る。

マンションに猫を運びとmこを実家まで送る。その間猫は無人で過ごすがどうか泣き叫んでくれるなと祈りながら運転する。

マンション付近のコインパーキングに車を入れた。立体駐車なので河川が氾濫しても車と載せた物は守られるだろう。同じような考えの人で満車かと思っていたが、駐車場はガラガラだった。危機意識は非常に低い。


猫も性格は其々ですぐに探検する猫、じっと動かない猫それぞれだ。探検する猫ですら緊張から開口呼吸していて見ている僕も苦しい。22時から風が強くなり窓を大男が殴るような音が続く。怖がっている猫は呼吸が早く可愛そうだが何もしてやれない。一番の暴風雨の時に地震で揺れる。色々と最悪だった

24時には風も落ち着き始め、緊張感が和らぐ。少し仮眠を取ろうと思うが、猫が気になり寝れない。2時に氾濫危険水位から10センチ下がったので、猫を連れて店に戻った。10時間の自宅避難だった


今回避難行動をして感じたのは、避難することは正しい。避難が無駄かどうかは考えてはいけないし安全を賭けてもいけない。防げない事はたくさんあるが、未然に防ぐ行動そのものがとても重要なんだと実感した



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