プロパンガスの営業

プロパンガスは高い。自宅が都市ガスで職場がプロパンだから余計に高く感じる。

職場のプロパンは平均2㎥しか使わないのに料金は3,000円を少し超える。都市ガスは15㎥使って2,900円。供給形態が違うにしても「使っていないのに…」という不満は常にあった。

最近、プロパンガスを変えませんかという営業が来た。安いガス会社は安い金額で契約後、急に値段を変えて以前のガス会社より価格が高くなってしまうというトラブルは昔から耳にしていた。解約しようとすると最低契約期間が設定されていて、違約金がべらぼうに高い。

とりあえず話だけ聞いてみると
「契約期間・違約金は存在しない」
「変えれば月々2000円で済む」
「ガス料金は仕入れ値に応じて上下するので急に上げることはない」
と特に問題点もない様子。

電気の自由化を受けてガス会社も健全化しているのかもね、と検討することにして一旦帰ってもらう。飛び込みの営業はどんなに好条件でも絶対に一旦間を空ける。その場で決めさせようとする営業には必ず罠がある。食い下がってきたら「黒」素直に引けば「グレー」と考えている。飛び込み営業なんて99%は黒かグレーしかない。

近所のプロパンガスを見て回る。営業に来たガス会社の物もちらほら見かけるので実際に切り替えている人もいる。ガス会社自体も埼玉で地道に営業所を広げているようだ。

特に怪しい点もなく契約してみることにする。違約金がないので気に入らなければすぐ元に戻せるからこちらにはデメリットはない。

ただ一点、営業に来た彼に気になるところがあった。非常に物腰が柔らかでこちらの疑念にも嫌な顔ひとつしないで話をしてくれたのだが、左手小指に小さな指輪をつけていた。ガス会社の作業着を着て全体で見るとよくいる営業マンなのに、その小さな指輪の主張が気になって仕方なかった。個人のファッションなんて好きにすれば良いと思っているが、仕事中につけるべきものでもなかった。

小指の指輪について調べる。僕は恋人が夫婦ごっこをする時のアイテムと思っていたのだが、どうやら違うようだ。彼のつけていた左手の指輪は「成功へ向けて変化を求めている」為のようだ。そういう野心は営業には必須なのだろうが、それを隠さないことは上手いやり方ではないなと思った。なにかの駆け引きをしている時に些細なことでも相手を警戒させるのは結果として損するだけだ。彼については要注意。

契約書にサインする。今使っているガス会社には彼から連絡するので僕がする手続きは特に無いそうだ。10日後に切り替えの工事をしておしまい。

彼が帰り際、念を押す。「我々の業界は信じられないことに、有る事無い事を言って引き止めの電話・訪問をしてきます。ご面倒ですが断って下さい。」

そういうものだろうか?と思いながら話を聞く。自分の働いている業界を自分で貶める発言も聞いてきて気持は良くないが、たしかにプロパンガス会社のトラブルは調べなくても聞こえてくるので間違ってはいないのだろう。

実際、使用しているガス会社が訪ねてきた。二人で

「なにか不都合・ご迷惑はありましたか?」
「何もありません。理由は値段だけです」

予想通り、彼らはガス切り替えに依るトラブルの事例を資料を用意して僕に提示する。
「違約金」
「ない」
「料金値上げ」
「あっても、いつでもやめられる」
こんなやり取りを5分ほど続ける。ピンキーリングの件が無ければ話を聞かずに門前払いする予定だったが違和感を払拭するために双方の話を聞く。

帰ってほしいなぁと思いながら聞き流していると気になる資料が目にとまる。基本料金の値上げを検針票に記載するだけで告知はしない。そのやり方なら気付かれないうちに値上げが可能だな、上手くてズルいやり方だなと思った。基本料を500円で2回値上げされたら今のガス会社と変わらなくなってしまう。

彼らにこの件について話を聞くと、契約して検針票を確認しない人はいつの間にか高額な基本料を払っている人も多いらしい。なんとなく今回のからくりが見えてくる。やはりうまい話には裏がある。

更に、僕の書いた契約書はガス会社との契約書ではなく、別会社が用意した「ガス会社と契約します」という債権とのことだった。この債権をガス会社に売ることで初めて、僕とガス会社の契約が成立する。なので彼と約束した基本料・利用単価はガス会社は「知らない」と言っても通用するらしい。名刺にはガス会社のマーク、作業着はガス会社の物、ガス会社の社員と一緒に訪問していた彼はガス会社の人間では無かった。

説明には納得した。でも、値段の件には納得していない。彼らに「引き止めに来といて、何の提示もないのか」と聞くと「切り替え予定の値段に2年間値下げします」と。なんだよ値下げできるのかよ

ということで、彼らが持ってきた委任状にサインし、営業が持ってきた契約書を無効にする手続きをした(クーリングオフ制度)。その手続きは彼らがやってくれるらしい

帰り際「引き止めの電話・訪問があるかもしれないので気をつけて下さい」




※ガス会社の売り込みには「契約期間」「違約金」「基本料金を上げない書面」「委任状ではなくガス会社との(料金を明記した)契約書」この4つが必要と思われます。が、僕の知らない汚いやり方はもっとあると思うのでよく検討しましょう


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