産院を変える

怒りを込めて

※NIPT=母体血を使用した出生前診断 です

 
 
とむこの希望で妊娠当初から総合病院へ通っていた。個人の産婦人科より設備が豪華だろうしマンパワーも違うだろうと。ただ、NICUがなくなったり医師が減ったり懸念材料はあった。噂だが良い医師は他の病院に移ってしまったとも。

通院してるとmこさんの話を聞いていると(とむこは一緒に行かない)首を傾げることが多い。本人も首を傾げながら僕に話す。頼りにならない印象を受ける。具体的には

検診を受けに行っているのに中身の話がない

医師が変わる度に初診と同じことを聞かれる「出産はここでしますか?」

担当医が診察してより詳しい検査が必要とされる時「希望すれば」専門医に変わってもらえるシステム

(とむこがアリエクで買ったエコーより病院のエコーの方がしょぼい)

etcetc…

通院先は妊娠11~13週の妊娠初期コンバインド検査を行っていないことをHPで知る。それはつまり妊娠初期の胎児の異常を発見できない事を意味する。「心臓が動いてるね~」とか「頭殿長はいくつだね~」とかエコーをおもちゃ代わりにしていれば1時間程度で習得できるレベルの技術しかない。

なのでFMC東京クリニックへ行きました(前に書きました)

FMC東京クリニックではNIPT検査を行っていないので、通っている総合病院へ予約を入れる。最初の診察でNIPTを受けたいと言っているのに「病院のHPから予約ができるから」と取次もしてくれない。取次システムがないのかもしれないが、妊娠初期の検査としてNIPTは「私はタッチしてないからやりたければ勝手にどうぞ」という姿勢が取れるものではない。でも大きな病院ではそんなものかもしれないと勝手に納得させた

HPから予約して折返し遺伝カウンセラーから電話が掛かる。とmこさんが電話に出て10分ほど話したあと僕に相談に来たのだが、かなり怒っている。

「かなり感じが悪い」

「予約が取れるのが3週間後。採血して検査結果が出るのが5週間後。結果が出た時点で中絶の選択肢がなくなる」

「当日4~5時間は待つ」

意味のない検査を受けても仕方ないので予約をやめる。電話してきた遺伝カウンセラーは「ぽっと思いついてNIPT検査を受けたいと思ったのだろうが、簡単には受けさせない」という態度が全面に出ていたそうである

僕は直接電話に出たわけではないが、とmこさんの話を聞いていただけでも結構萎えた。少なくとも妊娠5週から通っている妊婦に対する態度・対応として適当だとは思えなかった。

 
NIPTについては「認可施設」と「無認可施設」があって、日本医学界(日本医師会の下に設置された医学系学会の連合体)はしきりに認可施設で検査を受けることを推奨している。無認可をとても敵視している。

大きな違いは「遺伝カウンセリング(カウンセリング=相談援助)」にある。検査の内容・目的・結果の判断について学び、母体の精神的負担を減らすことを目的としている。

が、僕はこの遺伝カウンセリングというものが母体のためなのか、胎児のためなのか、医師のためなのか、向いている方向が全くわからなくてイライラした。

カウンセリングが言葉の通り相談援助ならば、妊婦の不安を取り除くために情報を提供し選択肢を提示し導いてあげれば良い。実際、FMC東京クリニックの遺伝カウンセリングでは検査内容の説明・精度確率・検査の受け止め方・そのフォローについてどんな選択をしようともクリニックは最後まで力になるという説明を1時間掛けてしていた。100%母体を向いている

一方で僕らがNIPTを受けようとしていた病院の「検査を受ける前の注意事項」には以下の文章があった

「ご夫婦のNIPT検査の理解およびNIPT検査に求めるものがNIPTコンソーシアムの方針と著しく異なる場合には、NIPT検査をお断りすることがあります。」

変だなって思いません?カウンセリングという名の下全く別の事をしている。検査に適しているか適していないかの選別場所になっている。電話の遺伝カウンセラーがどんな態度で話をするのかなんとなく想像できた

実際、事前の遺伝カウンセリングに出席した人で「説教されてるみたいだった」という感想の人もいる。相談援助はどこに?

こんな動画があった

命と向きあう・・・「出生前診断」の課題【news23】
この動画の中で医師が語っていたこと

「殆どの妊婦さんはこの検査が良いのかな?受けようかな?くらいの気持ちで検査を受けている」

「そうじゃなくて出生前検査の知識をしっかり身につけた上で受ける権利もあれば受けないでいる権利もあるんだなと、お子さんのことを考えていただきたい」

僕はこういう発言を聞くと医者の本心が透けて見えて面白いなぁと思う。結局医者というのは患者を馬鹿にしていて綺麗事を正しい倫理のように押し付けるのが好きなのだ。

妊娠してNIPTについて考える妊婦が何も調べずに検査を受けるなんて僕には信じられない。自己負担20万円以上の検査を受けるのは決して簡単な気持ちではないと思う。そりゃ染色体と遺伝子の正確な違いを分かっていなかったりNIPTは非確定検査なのを知らなかったりするだろうけど、妊婦からすれば些細なことなのではないか。「3つの染色体に異常が有るか調べる検査、つまり胎児がダウン症か調べる検査」ということが分かっていれば充分だと思う。

そもそもNIPTを受けたいと思っている妊婦に対して遺伝カウンセリングという名の下「受けない権利」を説明する必要がどこにあるのだろうか?それはもう「検査させたくない」とはっきり言えば良いと思う。「お子さんのことを考えてもらいたい」なんて卑怯な言葉を使わずに

ぼくは「生命の尊さ」と「生まれてくる子供の障害の有無」を混同して同列で語ったり、カウンセリングといいつつ中立でない誘導をしている現状がとても気持ち悪かった。

妊娠したら病院に定期的に通って検診を受ける。それをしない妊婦は母子保健法違反となる。まぁ義務だ。検診を受ければ当たり前のようにエコーで確認する。でもエコー検査の前に「検査をしない権利」について説明する産婦人科なんてないでしょう?「エコーで異常が見えるかも知れないから検査は受けたくない」なんて発言したら「何のために病院に来たの?」と怒られるはずだ。

エコー検査すれば胎児の形態について知ることができる。NIPT検査を受けなくても首のむくみが厚かったり鼻骨が確認できなかったりすればダウン症の疑いが出てくる。そういう異常を見つけるのが検診であって、漫然と胎児を画面に写して記念撮影するのが目的ではない

エコーで胎児の異常を検査するのは事前説明もないし希望も聞かないのに、なぜNIPTになると急に「カウンセリング」とか「受けない権利」とか言い始めるのだろう?。受けない権利を行使させるなら出産まで何も検査しない権利も認めるべきだと思う。「ここまではみんな検査する」という線引を勝手にしている医師たちは自分の矛盾に気付かないのだろうか?

 
妊婦からすれば認可とか無認可とかの争いは医学界のことであって、全然関係ない。はっきり言って良い迷惑である。認可側が無認可を非難するならそれなりの根拠を提示すれば良い。で、認可側の提示が「遺伝カウンセリングをしているから!」なのだけど、僕の感じた遺伝カウンセリングは妊婦のためではなくて間口を狭める障害でしか無かった。だったら直ぐに予約を取れてカウンセリングと言う説教を省いてさっさと採血してくれる無認可施設のほうがよっぽどマシに映ると思う。

妊娠してからやらなくちゃいけないこと考えなくちゃいけないことは沢山ある。しかも妊娠初期はつわりもある。NIPTだって後回しにはできない。検査結果が怪しければ羊水検査や絨毛検査をして中絶できる期間内に答えを出さなければならない。それなのに認可施設は少ない・予約は取りにくい・何時間も拘束される。こんなにデメリットだらけなのに「無認可施設で検査は止めてください」なんて言う資格はないと思う。僕のように認可施設で検査しようとして埒が明かなかったり見切りをつけたりして無認可施設で検査している人も多いだろう。

実際には僕らは無認可クリニックで検査なんかしない。だって空き事務所に机を置いて採血だけする施設をクリニックだとは思えないし関わりたくない。でも彼らは続々と新しい分院を開設している。支持されているのは無認可施設だ。そんな事務所だかクリニックだか分からないような施設に圧倒されている現状について「自分たちを変えよう」と思っていないところが本当に滑稽だと感じる。ま、商売人に目をつけられたら崇高な理念なんて全く勝ち目は無いんだけどさ、医療が商売の一部であることを理解できない医者には更に勝ち目はないよね

 
まぁそんなわけで、とmこさんはFMC東京クリニックに初期母体血清マーカーの採血に行き、検査結果次第でNIPTではなく羊水検査をすることにしました。産院も変えます。僕がなんとなくイメージで決めた総合病院も今では全く信用できなくなってしまいました。美味しいご飯が出てくる綺麗な産院で出産しましょう!

 
僕は狂犬病のように誰にでも噛み付くからFMC東京クリニックにもついでに噛み付く。妊婦が望んでいるのは認定施設の検査ではなくて安心して任せられる施設での検査です。認可も無認可もどうでも良いです。院長のブログを読むと色々格闘しているのは分かるけど、その格闘の間、僕らのように右往左往する妊婦が続々と生まれていることも忘れないで欲しい。実のある方はどちらでしょう?

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