高校生の頃はFM用のアンテナを立てて遠くのラジオを聴くくらい暇さえあればFMを聞いてました。群馬からbayfmを聴こうとすると、そういう努力が必要だったわけです。インターネットも無いので、ラジオから流れてくる音楽が世界の最新の音楽に触れる場所でもありました。気になる曲があって曲名が分からない時は、再度流れるのを待つしか調べる手段はありませんでした。
深夜のAMラジオの芸能人の緩い喋りも大好きでした。テレビの騒ぎ方とラジオの騒ぎ方って全然違うんですよね。勉強している時に視覚を使わず聴覚だけで娯楽を楽しむことが出来たのは至福でした。夜中2時半位にラジオの音だけしか聞こえない世界に籠り、カーテンの隙間から外を覗くと寂しげな外灯が数個見えるだけの暗闇が広がっている。昔の深夜は今の深夜より神秘性がありました。まるで自分しか起きていないような錯覚を覚えるんです。
今では車の運転中ですらラジオを聴かなくなりました。甲高い声でしゃべる人、ラジオCM、不快な音が増えすぎてしまいました。弁護士事務所と車屋のCMが繰り返され、CMが終わったかと思えば番組内で通販が始まる。どのFM局もそんな構成です。僕が求めていた世界は亡くなってしまった
衰退しつつあるメディアだから広告収入が少なくてああいう放送になってしまうのかもしれません。でも生き抜くためにお客が離れるような煩い音を流していたら本末転倒も良い所です。なんてその世界を知らない素人が言っても仕方のない事ですが、車屋が潰れた途端にラジオ局も潰れないよう僕らに出来る事があれば良いななんて思ったりしています
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