夏の日暮れは本当に美しい
夏の夕暮れは本当に美しい。夕暮れというとオレンジ色に染まった空を思い受かべるが、実はオレンジ色のない青い空が暮れていく方が何倍も悲しい気持ちになれる
ギラギラした太陽が沈むと少しずつ暗くなる。真っ青だった空から青みが少しずつ抜けて薄くなっていく。旺盛に生える雑草のようにモクモクした入道雲たちは太陽の光が届かなくなると所在無げになるが、高い位置の雲だけは太陽の光を受けて真っ白なままだ。でもその白さも少しずつ失われていく。
春秋冬と違ってゆっくりと暗くなり青からくすんだ紺に変わっていく。いつもは太陽が沈むと闇に覆われる感覚があるが、夏だけは太陽が沈んでもすぐに暗くならないので薄い光が差す誰もいない部屋みたいになる。大きな屋敷に自分しか存在しないような気持になる。堪えようのない寂しさが心に忍び寄ってくる。
夏の夕暮れを同じように感じる人はいるのだろうか?
コメント