とむこの悪口帳「別館」

癖のない肉

スーパーで焼肉用ラム肉が売っていたので買ってみた。綺麗な色。6枚入りだったので3枚は大蒜・生姜に漬け込んで臭み対策をして、もう三枚はシンプルに塩焼きにした。

マトンじゃなくてラムだからそもそも臭みは無いんじゃないかなんて思いつつ食べてみるとやっぱり羊特有のもあ~んとした独特の主張で口が満たされる。それが不味いと断言するほどではないのだが、ジェットコースターの最速の下りを味わっているときのように頭が後ろに仰け反りながら食べる必要があった。漬けにした肉でも羊の個性は消せなかった。

羊肉を食べると蒸れた草束が脳裏に浮かぶ。彼らが主食にしている草が肉という蛋白質に変わるのだから(厳密には違うが)そういう感想は間違っていない。

やはりすんなりと食べることのできない動物の肉は、基本的に苦手な肉になるのだろう。わざわざ頭を仰け反らせながら食べる必要はないのだ。

でも僕は食材への興味が尽きないのでもっと強い香辛料を使って食べてみたいと思ったりもする。クミンやコリアンダーなら羊を大人しくさせる事ができる気がする。苦手と感じている食品と縁を切らず気長に付き合っていると分からなかった魅力に気付くこともある。食の幅を広げるというのは人生の楽しみを安価で手軽に増やす方法なのでそのうち手なづけられるだろう。その次はマトンだ、待ってろよ

よく「癖がなくて美味しいお肉でした」という感想を見たり聞いたりする。それはひとつも間違っていなくて、絡むような事ではない。でも一方で、その癖を求めて食べる人がいるわけで、そういう人からすれば癖のない肉なんて一つも美味しくないのかもしれないなぁ。僕は肉に癖は求めない…でも野菜の癖は強いほうが良い。茗荷・紫蘇・牛蒡・ゴーヤ・椎茸、主張が強いほどあぁ美味しいと感じるし肉と野菜の差は何なんでしょうかね?

 
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