僕は人混みが嫌いで人もそんなに好きではないけれど、そんな僕ですら人は社会的な生き物で一人では健全な精神を保ったまま生きていくのは難しいことを知っている。人とのコミュニケーションはネットを通じても形成することはできるが、現実のそれと比べるとやはりかなり淡いものであるような気がする。繋がってはいるけれど心が満足できるようなものは得られない。
幼稚園に入った子供は仲の良い友達も数人出来て、よく話に出てくる。1クラス30人もいるのに僕の知っている名前は5人程度。4歳でも気のある合わないは有るのだろう。運の良いことに仲良しの子供の両親も皆良い人でお母さん同士も仲が良いらしい。僕は送り迎えにほとんど行かないのでその辺はアウェイだが、お父さんの一人とは数回話した。とても優しそうな人で僕の自宅からも近い。彼ならお友達になれるかもしれない。お友達になれるかもしれない機会なんて今後訪れる事は無いという確信があり、お母さん繋がりからご主人のlineを手に入れ呑みに行きませんかと誘い、最初は2人で呑むことになったが躊躇し、子供と奥さんを巻き込んで6人で居酒屋へ行くことになった。キッズルームのある居酒屋なら子供も安心かもと提案されてモンテローザ系列の居酒屋の予約を入れた。正直、あまり近づきたくない居酒屋ではあったが酒と食が目的ではないので目を大きく瞑った。

日曜の居酒屋はそもそも閑散としているものだと思うが、今回訪れた店は僕らが入店して2時間後に帰るまで3組ほどしかいなかった。100席を超える店で10人にも満たない客数でかなり寂しい雰囲気であった。空いているには空いているだけの理由は有るのだろうなという空気感だった。