とむこの悪口帳「別館」

温度差

先日、群馬の旅館に一泊してきた。女将さんと「最近、ここでもコロナが出たのよ」と時事ネタを話す。どうやらその地区初の陽性者らしくご近所ではその話で持ちきりのようだ。既に行動も全て把握されているらしい。埼玉ではそういう感染者の情報も「あぁまたうちの市でも陽性者かぁ…」と10秒ほどでふわりと消えていく程度に日常的なニュースに成り下がったので随分温度差が有るなと思って調べたら、群馬県ではまだ陽性者が200人もいなかった。そんなに少ないと思っていなかったので驚いた。埼玉は10倍の感染者が出ている。そりゃ温度差があって当然だよなぁと納得してしまった。メディアで「ウィズコロナ(with corona)」という言葉をよく聞くが、感染者が少ない県からすればまだまだ「ウィズアウトコロナ(without corona)」で生活できている。それを東京で蔓延してしまったからって勝手に「コロナウイルスと共生しよう」なんて言われても納得できるはずはない。傲慢な言葉だ。僕の住んでいる街は10~20日に一人感染者が報告されている。少ないほうだと思っていたが、あくまで東京や埼玉南部と比較しての事であって、群馬や長野の人からすれば日常的に感染者が出ている地域の住民に違いはない。のうのうと他県に出掛けた人間の言えたことではないが、僕らが3・4月に感じた恐怖を今も感じながら首都圏の旅行客を迎えているのだろうと思うと、複雑な気持ちになる。「お客様は神様だ」という誤った認識が浸透してしまったおかげで旅館は宿泊者に対して強く出られないと思うが、この際「首都圏在住者は宿泊拒否」「隣の県まで」等の意思表示をした方がお互い気持ちよく宿泊できるのではないだろうか?と思ったりする。そういうのを差別だとか殿様商売だとか喚く輩のは必ず出てくるだろうが、客が店を選ぶ権利があるのと同様店が客を選ぶ権利がある。国が感染拡大キャンペーンを張る以上、それを受け入れるのか拒否するのか条件を付けるのか宿が意思表示してくれるなら僕は宿泊しやすくなる。この状況でも「お前は県を跨いで旅行するのか?」と言われればyesである。僕は日常生活はとても気をつけて生活している。なので宿泊先で迷惑を掛けるリスクは無いのでいつものように温泉に浸かり美味しいご飯を食べる。それが僕にできる旅館への応援だ






モバイルバージョンを終了