とむこの悪口帳「別館」

漫然とした不安

とmこさんが消えてから25日が経つ。彼女は挨拶もなく忽然と消えた

そのうち帰ってくるだろ、と大して気にせず生活するも全然帰ってこない。検査結果は芳しく無く多分あと40日は帰ってこない

彼女が消えても日常はいつものように続く。世の中は何も変わらないし手加減もしてくれない

とmこさんが消える少し前からダイエットを始めていたので、食生活は単調になり食で欲を満たすこともできない(でも、機械のように昼食にゆで卵2個食べる生活は手間が省け悪くない)

生活自体も色褪せてくる。ドラマティックな日常を過ごしているわけではないからやるべきことはいつも通りなのに生きる張り合いが無くなってきている

ふと、本当はとmこさんは既に死んでいるのではないかという空想に襲われる。lineで連絡を取り合っていても送信元がとmこさんという保証はない。僕らの間には秘密の合言葉もないから本人か確認する術はない
突拍子もない空想だが、僕は常に「そういうこともあるかもな」と思いながら暮らしている

僕は人生で大切なものをいろんな形で失ってきた。愛していた猫は僕の知らないところで死に勝手に埋められてしまったし、僕の息子は3歳で元妻と一緒に消えた。震災の時役立ってくれたクロスバイクは震災から一ヶ月後盗まれてしまったし、祖父母の家は知らない内に更地になっていた。数え上げればきりがない

当たり前だが失うのは辛い。それが順当なものであっても予想が付かないもであっても。でも突然ちぎり取られるように失うのはもう経験したくない。だから自分の妄想がくだらなくても無下にせず「そういう事もあるかもな」と心に留め置く

だからもしかしたらとmこさんはもうこの世界にはいなくて僕はbotと会話しているのかもしれない。とmこさんが消えてからの日数が長くなればなるほど彼女がいない日常が僕の普通になっていく。今までやってくれていた事を自分でしなくちゃいけない事で彼女の存在を感じていたが、そんな不便も何となく自分でするのが当たり前になると彼女の影は薄くなる

一番大変なのは入院している彼女に違いないのだが、残された人間も程々大変だ。捉え処のない不安がいつも頭上に居座り細かい雨を降らせている

来週は一人で手白澤か…あぁ辛いw
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