とむこの悪口帳「別館」

イシナギ

 
11時半にメールが届く

「イシナギという珍しい魚が獲れたので300gの切り身を送料込みで4,000円にて販売します。締め切りは13時半です」

全然知らない魚だった。1,300円/100gはかなり高いなと思った。それなりのステーキ肉が700円/gで買えることを考えるとハードルが高いと思いながら検索すると値段なりの高級魚らしい。考えなおし注文する。

切り身300gは魚のブロックとしてはかなり大きくて、頑張って刺身にするも一枚の長さが12㎝もあった。本来なら半分に切り分けてから刺身にするのが順当なのだろうがそれも勿体ないような気がした。刺身以外にも煮つけなど火を通すレシピが添えられていたが、こんな高い魚を刺身以外で食べる事は出来ない。心情的に無理だ。

白身なのに噛み応えがある。甘みもあるが濃厚という訳でもない。大きな感動はないが新しい食材を食べるという行為にはとても価値があるので有難く頂く。

死ぬまでに一度も食べない食材はどれくらいあるのだろう?などと考える。このイシナギも常に水揚げされている訳でもないから高級なお店に行けば食べられるというものでもないだろう。当然埼玉で流通するような魚でもないので、偶々スーパーで見かけたから買えたなんて幸運にも恵まれない。ヤオコーで月一に行われる鮮魚祭りではレンコ鯛とかイサキとか面白味の無い魚が並ぶ。トビウオが並んでいれば御の字という地域だ。流通が発達しても野菜や魚は地元でしか消費されない面白いものがあるのだろう。自炊の旅館に長逗留してそういう食物を探しながらうだうだと過ごしたい。
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