とむこの悪口帳「別館」

不幸を願う

とmこさんが妊娠しました。避妊の失敗です。100%僕が悪いです。とmこさんも40歳を超え僕の精子もかなり劣化しているはずなので、統計的には妊娠確率は数%もないから大丈夫という過信が仇となりました。野沢温泉に行く少し前からとmこさんは疲れが取れないようなことを言っていて、嫌な予感がして確認してもらったら妊娠していました。エコーで見たら既に豆粒のようなものが見えてやっぱり…となりました。

僕としては2人目の子供は全く想定してないので、出来れば無かったことにしたいのですがとmこさんは生む方向で考えていました。今まさに育児中で毎日成長を楽しんでいる中、お腹の新しい生命を理由もなく殺すことは出来ないのは分かります。まだ豆粒で命と呼べるものか判断できないものでもゆくゆくは歩き言葉を話し人になる可能性のある物体です。人は想像をしてしまうとそれに縛られます。僕がお願いして堕胎して生活が元に戻ったとしても、僕らの夫婦生活には必ず何らかの溝が出来るしその溝は時間とともに深くなる可能性もあるので、無理は通せません。

二人目の子供が生まれたときに僕は51歳になっているはずです。成人した時に71歳です。大学を出る22歳か25歳まで働くとなると73歳か75歳。ただ働くだけなら出来なくもないですが、現状の稼ぎを維持したまま70歳まで働くのは絶対無理です。体力的な問題もありますがここ5年で外的影響が物凄く出ています。とにかく景気が悪い。45歳で子供を設けたときはまだ不況に飲み込まれてもギリギリ間に合って逃げ切れるという感触があったのですが、50歳を超えた今では流石に手に負えないという事実が強烈に立ちはだかります。

正直もう一回新生児の子育てをするのはとても辛いです。とても手がかかる訳ではないのですが、目を離せない存在と1年以上過ごすのはやはり過酷です。とmこさんは僕の仕事において重要な戦力なので一時離脱もしんどいです。やっと子供が幼稚園に行き始めて手が掛からなくなったのにもう1回やり直しかぁという落胆はあります。子供にお金が掛かるから車の買い替えも遠のいたななんて副次的な懸念事項も増えました。もう20年落ちで小さい不具合もいくつか出て塗装も剥げ始めていますが、まだまだ乗らなくちゃいけなそうです。それなりに頑丈だけど不人気で安いという理由だけで買った車なのに20年も乗っていると周りからは凄くその車に愛着を感じて乗っているように思われるみたいです。子供部屋も一つしか作ってないし…etcetc

妊娠が発覚してから3週間は他の事を考えていてもいつの間にか今後の生活についての不安が頭を支配してそれはもうとても大変でした。妊娠発覚が7週だったので高齢者にありがちな初期流産を願ったのですが、胎児の心臓はいつ見てもビシビシと立派に鼓動していて僕の希望をいつもへし折りました。10週で受けたNIPTも陰性で流産確立は2%程度まで下がったので覚悟を決めました。というか3週間も経つと女の子が良いなぁとか一人目と二人目の名前のバランスを考えるのが難しいなぁとか現実的な事を考え始めるようになっていました。悩みは時間が解決してくれる、というのは長く生きてきて実感できる一つの良い事実です。

30歳くらいで結婚して子供を35歳までに子供が生まれて55~60歳までに子供が独立して65歳に仕事を辞めて老後を送る、なんて真っすぐな人生に比べると僕の人生は折れ曲がりまくりです。その曲った人生も悪くないと今までは後悔していませんでしたが、今回の騒動は流石にダメだろうと思います。でも現状不幸ではないので良しとしましょう。流産してくれと心で願った事を後悔するような可愛い子供が生まれてくれることを願いつつ生きるしかありません。いやでもやっぱりお金の問題とか子供の発達障害とか悩みの種は尽きません。野沢温泉の宿泊気も書きたいのですが、とmこさんのつわりも絡んで書かないと記録としては意味が無いのでもう少し先になりそうです。
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